Live Blog「M's Fes 2022」(2022)

一巡からの飛躍は大空へ

2018年の「永井真理子 Birthday & ファン感謝祭 ~For Team MARIKO~」から早4回目を迎えた今年2022年のファン感、その名も「M's Fes 2022」。タイトルの由来は、4月に東名阪で開催された「Big Sky ~neo Acoustic Live~ Blue Sky & Night Sky」、8月の「Re☆Birth of 1992」、さらに延期に次ぐ延期からようやく10月に開催された「コラボアルバム "会えて よかった" リリース記念ライブ」。この3本のライブを総括した、ナガマリ曰く "東映まんがまつり"、いや "幕の内弁当" のような内容のセットリストだったわけなんですが、これ、ライブに参加してちょっと思ったんですけど、来年辺り、それこそ年明け一発目の「Re☆Birth of 1992 Encore」以降って、永井真理子のステージがまた一段階上がりそうな予感しかしないというか、なんて言うんでしょ、2017年に復活してから、ここで1周まわりきったような、そんな感じがスゴイしたんですね。と言っても、活動の規模が大きくなるとか、会場も大きくなりそうとか、そういう二次的なことを言ってるわけではなくて、なんかね、音楽的にもう一段階深くなりそうというか、そこに辿り着けた1年が、この2022年の "Re-Birth" ではなかったのかなと。

そもそもが「Big Sky」なんですよね。セルフカバーアルバム「B.N.D vol.1」が過去の自分への振り返りだとしたら、「B.N.D vol.2」はそんな過去の自分を肯定して受け入れる作業だったと思うんですよ。これって、ボクらリスナー側からしても同じことで、"永井真理子" というアーティストとの出会いと再会、今とのつながりを確認していく作業でもあったのかなと。多感な思春期、そこから数十年の時を越えて、今ここでそのエネルギーを再構築していく。そうしたことで、そこから見えてきたもの、それが齢 (よわい) というものだった。今、ここで若ぶってあの頃のようなことを繰り返してもなんの意味もない。数十年という齢を重ねたからこその熟成された渋みであったり、経験から生まれた余裕であったり、辛苦を越えてきたからこその心地よさであったり。その境地が "大人の永井真理子ネオ・アコースティック" だったのではないかと。

ファン感で披露された楽曲の中で、ひと際輝いていたのが "Bicycle Race" のネオ・アコースティックver.だったんですけど、この幻想的でノスタルジックで、それでいて核 (コア) の部分にはしっかりと "永井真理子" という過去と今が共存している。そう、過去を見ながら今を見ていて、さらに未来まで感じられる。そんな世界観がスゴすぎて、演奏が終わった後も、その余韻に浸りすぎて拍手をするのさえ忘れてしまうくらいでした。

過去の自分との対峙『Re☆Birth of 1992』と『会えて よかった』。この2つのテーマを咀嚼したことで、次のステージに向かおうとしているナガマリは本当にパワフルでした。いや、ホント、冗談抜きでヤバかったです。そして、音楽的にここまでたどり着けたこと、それこそ "TIJ Music" のインタビューで語っていたように「鼻歌を歌うのも怖い」くらいだったところからここまでこれたこと(あのインタビュー集は本当に素晴らしいです)、それがライブのMCで語られていたことなのではないかと。

<わたしを音楽に戻してくれてありがとう>

<わたしの音楽に出会ってくれてありがとう>

その思いが来場者全員とのチェキであり、新年のアンコール公演だと思います。8月に開催された分は映像作品&音源として残っていくので、アンコール公演はさらにバージョンアップしているに違いありません。どこまでも広がっていく "Big Sky" に向かって "Jump" する。それが来年のナガマリになるかもしれない。そんな予感しか感じなかった今年のファン感でした。