Release Live 横浜ランドマークホール 2025.11.02.sun.

どうでもいい情報ですけど、姐さんが横浜スタジアムでワーッと盛り上がっていた頃、本日の会場だった横浜ランドマークタワーはまだ工事中でした。姐さんが横浜スタジアムで「結婚しまーす!」ってぶちまけた頃、ランドマークタワーはオープンしたばかり。姐さんがオッペン化粧品のCMに出ていた頃、ランドマークタワーは日本一の高さを誇るビルでした。そして、姐さんが6年ぶりのオリジナルアルバムを発売した今年、ランドマークタワーはライブ会場になっちまいました。

なんだか不思議な感覚です。私が小僧だった頃から、うちの奥さんと出会った頃も、娘が生まれた頃も、そのあともなにかと家族でショッピングで訪れたり、親類知人の結婚式で訪れてみたり、やることなくて奥さんと二人で暇つぶしにプラプラ歩いてみたり、そんな慣れ親しんだランドマークタワーで姐さんがライブをする。時も移ろえば移ろうものですね。

てなわけで、行ってきました姐さんライブ in 横浜。

幕開けはいつものコールドプレイ "Viva La Vida"。一気にボルテージが上がり、会場中の手拍子でバンドメンバーのセットアップを見届けます。からの "We are making story"。ステージに登場の真理子さんはツインテール。マジか。なんて若いんだ。しかも、見た目と違ってサビのボーカルは地を滑らかに這うような低い歌声。いきなりシン・永井真理子の世界観に引きずり込まれます。続けざまに "好奇心 (B.N.D. ver)"。このアレンジ、やっぱ好きだわー、たまんないわー。アニキ最高。って、ステージ右手を見ると、なんだろ、照明の加減もあると思うんですけど、シャツを肩までまくり上げているアニキの二の腕が妙にマッチョに見える。実際、リアルにマッチョなのかもしれないんですけど、いや、見た目ケンシローじゃね?みたいな感じでした。

MCでニューアルバムについてのお話があり、このアルバムの出発点が3年前の「Re-Birth of 1992」であったこと、その後のリクエストを募ったスペシャルライブでの新曲披露が骨格になっていったことが明かされます。で、"Re★Birth" ~ "君が光を照らす" です。もうさぁ、"君が光を照らす" って、最高の曲じゃない?しかも、姐さん、気持ちよさそうに歌ってたなぁ。聴いてるこっちも気持ちよかったなぁ。

ここから着座。アルバムタイトル「Can you hear me?」にまつわるお話。内容については割愛させていただきますが、<tell me tell me, can you hear?>というリリックがあるように、このアルバムのタイトルトラックになるのが "my hero" だと。前回のブログでも書かせていただきましたが、私たちはどうしたって一人では生きていけない。なにかの問題に向かい合うことだって、ニンゲン一人のチカラなんてたかが知れている。そこをなんとかできるのは、他の真理子さんの曲にも通じることですが、誰かとの出会いだったり、誰かからのなにげない一言だったりする。私たちは誰かとつながっていないと生きていけないんです。だからこそ、この出会いは尊い。もしくは、あの時の出会いが尊い。そうやって、私たちは少しずつ少しずつ強くなっていく。それは誰かにとっては家族かもしれない。誰かにとっては友達かもしれない。恋人かもしれないし、奥様やご主人様かもしれない。会社の同僚、先輩、後輩。あの会場にいた多くのTeamMのように、それは真理子さんになるかもしれない。「Can you hear me?」「ねえ、聞いてくれる?」「ねえ、聞こえるかい?」その問いに応えてくれる誰かが、あなたにとってのヒーロー。

そんな温かな雰囲気の "my hero" から、これまた伸びやかなボーカルを披露した "Love Bird" へと続く。その歌声は、さらに "ZUTTO" へ。喉のケアというものが、どの程度の重要性を孕んでいたのかはわかりませんが、にしても、ここまで気持ちよさそうに "ZUTTO" を歌っている姐さんは、なんか初めて見たような気がします。

第1部のラストは "上手く愛せなくてもいい"。この曲も自分、大好きなんですけど、最初に聴いた時、この曲って前田先生の作曲なのかな?と思ったんですよ。なんか、"私の中の勇気" に匹敵する曲じゃない?と。でも、アニキだったんです。もうね、ここなんですわ、このアルバムのスゴイところって。3年前の横スタオマージュから、ノスタルジックツアーやジョイントライブの今までのエキスが全部注入されているんです。もう大好き。そういえば、ライブが始まる前ですけど、前田先生、自分の席がわからなくてオロオロしながら会場を出たり入ったりされていました。前田先生、関係者席は向こうですよ、向こう、みたいな(笑)。

15分のインターバルをとり、怒涛の第2部は "Miracle Girl (B.N.D. ver)" で幕開け。からの "Brand-New Way (B.N.D. ver)" へと続きます。なんでしょうね。会場がランドマークタワーだからなのか、ステージで歌っている姐さんの姿に、あの「Miracle Girl Tour '89」の姿がオーバーラップするんです。小僧すぎて、ライブにも行けず、小さなブラウン管のテレビで何度も何度もビデオで見ていたあの姿。それが、今ではこんなに近くに感じる。ちょっと感極まっちまいました。

で、"WAVE THE FLAG" ですわ。会場のみなさんがいっせいに白いふんどしライブグッズの空飛ぶクジラフラッグをフリフリし始めると、なにやらステージにドデカフラッグを抱えたお姉ちゃんが2人出てきます。からの、フレー!フレー!ダンス。いやいやいや、姐さん、とうとう小娘を従えるようになっちまいましたかと。でもね、これが圧巻なんですわ。レディングとかグラストンベリーとか海外のフェスって、結構、会場が旗でにぎわっていることが多いんですけど、もう、それみたいな感じ。曲の最後には、姐さんまでドデカフラッグを振り回すんですから、ヤバー、カッコよすぎー!でした。

そのまま、なにやら振付ありの楽曲 "Doing! Going!" です。そういえば大昔、「Love Eater Tour」の時、"DUNK! DUNK!" にも振付があったような気がしますが、あの時はイヤなこととかムカつくこととか、それを叩きつけるようにDUNK! DUNK!ってやろう!みたいな振付でしたが、時が経つと、それが今ではわっしょい!わっしょい!ですわ。イヤなこともムカつくこともお祭り騒ぎだと。楽しんじゃおうと。そうしてれば、いろんなことが味方してくれますよと。両サイドで踊っているお姉ちゃんみたいにねと。

第2部の怒涛の展開はさらに続きます。"Reborn (B.N.D.ver)" のグランジロックから、"TIME (B.N.D. ver)" のハードロック、で、"プリティ ロックンロール" ときた。もう会場はもみくちゃ。豊さんのドラムは激しいし、笠原さんのベースがこれまたブイブイ効かしてくれるわけで、このあたり、もう職人技プラス熱いパッション込みみたいな感じがします。もう普通に盛り上がれる。音楽のパワーって、ホントにスゴイ。

本編最後は "この地球に生きる"。これもさっきの話ではないですけど、例えば「Miracle Girl Tour '89」でいうなら "One Step Clocer"、「WASH! WASH! WASH!」でいうなら "キャッチ・ボール"、「1992 Live in Yokohama Stadium」でいうなら "私の中の勇気" にあたる楽曲。"La-La-La" も、"タンバリンを叩こう" も、"Let's Walk" も、"12月の空" も、"W" も、巡り巡って、姐さんもここまできちまいました。なんだかんだ、自分で選んでいるようで、実は選ばれている。自分で生きているようで、実は生かされている。なんて深い歌なんだ...。

アンコールは "大きなキリンになって" からスタート。ここでこの曲がくるってなにか意図を感じます。いや、ライブ2曲目の "好奇心" の配置もそうなんですけど、私にはまだまだやりたいことがたくさんあるという意思表示、そして、あの1993年のように、さらに私は生まれ変わることができる、もしくは生まれ変わったんだという意思表示。それが "大きなキリンになって" に凝縮されているような。そこから今度は "23才 (B.N.D. ver)" ですよ。さらに誰かと出会っていきたい。見知らぬ世界を味わっていきたい。若かりし頃の、あの未知に挑んでいく怖いもの知らずの大胆不敵な気持ちのまま、今も先へ先へとココロは前へ向かっているんだと。姐さん、自分、どこまでもついていきます。

ラストは "Birthday Love Song"。そうなんです。クリスマスソングって "ZUTTO" のイメージがありますけど、姐さんのバースデーソングって、あるようでなかったんですよ。生まれてきて、おめでとう。そう言われて思います。なんだ、簡単なことじゃないか。生まれてきたことの意味?たぶん、それはこうやって誰かと嬉しさや幸せを分かち合うこと。おめでとうって祝える気持ち。ありがとうって感謝できる気持ち。これだけで私やあなたが生きてることに価値がある。御大層な意味なんかいらない。目の前にいる人と幸せがわかち合えれば、もうそれで充分。生きてさえいれば、誰だって、いつだって、幸せになることができる。だから、ライブ会場に足を運んでくれて、CDまで買ってくれるなら握手しますよー!というのが姐さん。もう、泣けてくるー!どこまで姐さんは姐さんなんだー!

で、自分は大手町のライブ中に、ただただCDだけを買いに会場にいった為、握手券はもらえませんでした。スタッフの方から「CDを買うのはいいですけど、握手券つけられませんが、よろしいんですか?」って聞かれて、「あ、ぜんぜん平気。CDくださーい!」と。スタッフの方、ポッカーンみたいな。そりゃそうですよね。姐さんと握手できるなら、そりゃしたいですよね。はい、わたし、アホです。でも、たぶんですけどね。誰よりも早く、フン♫フン♫フン♫ってアルバム聴けたんです。それがわたしの幸せなんです。

姐さん、幸せをありがとー!

『Can you here me?』

今年の初め、長女の嫁ぎ先のお義母さまが急逝されました。肝硬変から合併症を起こし、夜中に救急車で運ばれ、そのまま帰らぬ人となってしまったのです。そんなLINEが娘から届いたのが夜明け前のこと。お義母さまは新しい朝を迎えることができず、私がLINEを確認したのは、いつも通りの陽の光が眩しい朝のことでした。シングルマザーで、女手一人で婿さんを育て、うちの娘を諸手で受け入れてくださり、孫の誕生を誰よりも喜ばれていました。私なんかより、いっぱいいっぱい孫と幸せな時間を過ごしたかったでしょうし、もっともっと孫の成長を一緒に味わいたかったのではないかと思うのです。なのに、それが叶わなくなってしまった。なんの前触れもなく突然いなくなってしまった。しばらくの期間、なぜ神様は私ではなくお義母さまを先に連れていってしまったのだろうと本気で悩みました。なぜ神様はこんな悪戯をするのだろうと。

先日のインタビュー記事で「じつはあの時期、喉だけじゃなく耳も悪くしていて。でもずっと歌いたいっていう気持ちがあったので、少しでも可能性があるならと思って手術をしたんですけど... ...100%成功するとは限らず、結果どんな声になるかもわからない手術だったんですよね。もしかしたらこれで私の歌手生命は終わっちゃうかもって思った時期もありましたし、すごく怖かった。だから少しずつ声が出始めたときに、もううれしくて涙が出ちゃって。とにかく声さえ出るなら、それがどんな声であっても受け止めようと思ったんです(出典:https://lp.p.pia.jp/article/news/438277/)」こんな風に語っていた真理子さん。歌い手を生業とされている御方にとって、声が出なくて耳も聞こえないという恐怖がいかほどのものだったか。

<大切な人のために 何ができるだろう>

アルバムからのリードトラック「Love Bird」からの一節。私はこの曲の主人公と同じような気がします。<Love Bird, 言葉を越えて 想いを運んでいって> 病に倒れたお義母さまにも、歌い続けるためにあえて苦難を選んだ真理子さんにも、具体的な行動として私に何ができるわけでもない。この想いが届けばいいと願う。想いよ届けと祈る。そんなわずかなことしかできない。それでも、お義母さまの分も娘夫婦を支えていこうと心に誓う。そんな風に私に勇気を与えてくれる真理子さんの歌。

遡ること今から6年前。不安だらけの再出発から温かな再会に恵まれ、その感動と興奮をそのまま作品に昇華した前作の『W』。その頃、私は仕事上のトラブルから心の病にかかり、その年の年末から3カ月間、仕事はおろか人と接することもおぼつかない状態にありました。自分自身を見つめるにも嫌な部分だけが見えてしまい、そんな自分でいることも嫌すぎて、抜け出すにも抜け出せない、得体の知れない苦しみだけが毎晩毎晩この心を押し潰していく。そんな折、私に希望を見出させてくれたのも真理子さんでした。約20年ぶりに復活した前田克樹さんとのコラボ曲「Restart」。疾走感のあるイントロ、どこか懐かしさを感じられるメロディ。<また一緒に 走って行こう 生まれ変われるから>。意を決して、私はTwitterに投稿をするようになりました。今まで閉じこもっていた世界から一歩踏み出すことにしました。すると、TeamMのあの人が、この人が、あんな人が、そして、真理子さんまでもが、こんな私を受け入れてくださるようになりました。

<ある日やってきた私だけのヒーロー 突然空が明るくなった冬>

<嫌いだった歴史をカラフルに 君が染めてくれた>

<モノクロの世界に七色の光 降り注ぐ>

アルバムの後半に収録されている「my hero」「この地球に生きる」からの一節ですが、あれから6年、私の<空はずっと明るいまま>今を迎えています。 だから、私は永井真理子というアーティストが大好きですし、TeamMのみなさまが大好きです。今の私がこうしてあるのは、ひとえにみなさまのおかげなのです。

最新作『Can you hear me?』には、聴く者の心を鼓舞するチカラがあります。そして、ここには飾らない生身の言葉が散りばめられています。まるでかつての亜伊林さんのように、その言葉たちは、私たちの人生を彩り、私たちの人生に寄り添い、私たちの人生を楽しませてくれます。<あの日から何度 朝がきて あの日から何度 涙拭いただろう 下を向いたり 上見たり 別々の道 歩いてきたんだ> それでも繋がっていたんだよと歌う「Re★Birth」。<たくさん理不尽なことが訪れる毎日に 翻弄されないように何とか今日も頑張ってる> そんな自分にエールの旗を振る「WAVE THE FLAG」。<僕らの透き通る高い空を探しにゆこう> その物語は他の誰でもない私たちの手で作るんだという「We are making story」。<どんなに大きなピンチに襲われてしまっても 天を指差し 眠ってる無敵の魂を呼び起こせ> さあ、ゴールのテープさえ飛び越えていけと全力疾走の「Doing! Going!」。<光に乗って泳げ 行き場のない情熱を燃やし尽くす そんな場所へ> と、まだ見ぬ自分への解放を渇望する「Shining Wind」。そして、<手を繋いで温めた日々を 未来へと運んで行こう> あなたが生まれてきてくれたことに花束を贈ろうと歌う「Birthday Love Song」。アルバムは "Birth" から始まり、"Birth" で締めくくられます。新しく生まれ変わること。そもそもこの世に生を受けられたこと。そのどちらも奇跡的なことで、そのどちらもかけがえのないこと。あなたが今ここにいることが素晴らしいことで、だから、今ここにいられることを存分に味わおう。悲しみも喜びも、絶望も嬉しさも、苦しみも楽しみも、いっぱい味わって人生を謳歌しよう。<いつか必ず会えるから さよならだけは言わない> 「Rest in Peace ~for my best friend J~」で、そんなかつての存在でさえも真理子さんは自分の中の一部としてそっと抱きしめています。生きることの意味は、ありのままに生きていくことにあるから。

「いつでも私を支えてくれるあなたは輝く星のような存在です。足元を照らしてくれるその明かりでここまで歩いてこれました」2023年に発売されたオフィシャル・フォトブック『Meteor Shower 2017~2023』の巻末に記されている真理子さんからのメッセージ。「6年前に急に広がった空は私の希望の大きさなのでしょう。諦めていた心にあなたが生命を与えてくれたから、またこの世界で生きようと思えたのです」そんな想いをドラマチックなロックナンバーにして、聴く者の胸を熱く高鳴らせるのが「君が光を照らす」。印象的なのは、夜空を飛び去って行くジェット機を "泳ぐ" と表現されているところ。目的地に向かって一直線に突き進んでいく旅客機を、自由に夜空をたゆたう力強い乗り物のように表現されている。この視点は、恐らく、このアルバムのメイントラックともいえる曲「上手く愛せなくてもいい」にも登場します。

<あの時に観た 大空飛ぶクジラは きっと私の希望>

"空飛ぶクジラ" というキーワードは、人それぞれの解釈にもよると思いますが、私は "解放" を意味すると思っています。大海原を泳ぐ巨大なクジラが重力から解放され、まるで鳥のように自由に大空をたゆたう。前作『W』のキービジュアルが四つ葉のクローバー="幸せ" を意味していたように、今回の『Can you hear me?』のキービジュアルである空飛ぶクジラは "解放" を意味するのではないかと。それは抑圧されたパンデミックからの解放でもあるし、凝り固まった自分自身からの解放でもある。私たちはいつでも生まれ変わることができるし、自分を解き放つことができる。もしくは、無理して生まれ変わる必要もないし、意固地な自分のままであってもいい。このままの自分を認めればいい。ありのままに生きていけばいい。

<迷いと一緒に生きてゆこう>

<不安と一緒に浮かんでよう>

いずれにしても私たちは自由の中にいます。数ある選択肢の中で、どちらかが正解でどちらかが間違いでもない。どちらかを選んだ自分自身が正解で、どちらも選ぶことができなかった自分が正解なんです。真理子さんは歌います。

<ねえ、何度だって その想い砕けても 強さへと変える魔法 誰でも心に持っている>

縛りつけていた自分自身を解放して、もっとこの人生を謳歌しよう。時に泣き崩れ、時に笑い転げ、時に疲れ果て、時に嬉しさで飛び跳ねる。そんな風に私たちは少しずつ強くなっていく。そして、きっとその先に、まだ見たこともない世界が広がっているはず。私はその景色を真理子さんとTeamMのみなさんと一緒に眺めたいと願っています。あの日に見た大空のように。あの日に見た星空のように。

 

 

 

 

 

P.S. ひょっこりヒトミ姐さん再び。

Can you hear me? - EP

とりあえず、これ見てください。

やっほーい!

姐さーん、9位だよ!

ベスト10ランクインだよーーー!!!!!!!!!!

なんか嬉しいよー!

永ちゃんと並んでるよー!

 

てなわけで、本日、10月1日に突如解禁となった新生・永井真理子のニューアルバムからのEP盤『Can you hear me? - EP』ですが、もうね、歌えるよ、自分。おっおーきーなー、虹の雨くぐってーゆこおー♫みたいなね。

ライブ映えする5曲を厳選解禁ということで、盛り上がり必至、ていうかフロアがグワングワン揺れている景色がもう見えちゃってます。Team Mのあの人もこの人も満面の笑みで飛び跳ねちゃってるんだろうなぁ、と。嬉しそうだなぁ。楽しそうだなぁ。幸せそうだなぁ。ていうか、えー、これライブ2回しかないのかー。ツアーやってもよさそうだけどなー。

通算16枚目のオリジナルアルバム『Can you hear me?』の全貌は今月の19日に解禁となりますが、そこからの5曲「WAVE THE FLAG」「Doing! Going!」「We are making story」「Love Bird」「上手く愛せなくてもいい」が一足先にお披露目。2023年暮れにストリーミングされた「Re★Birth」や、ファンクラブ会員のみに公開された「君が光を照らす」のデモ音源など、アルバム全12曲中の約半分を聴いただけでも、この『Can you hear me?』が底知れぬ大傑作の作品になるだろうことは想像に難くないです。やばいです。16枚目のオリジナルというのもスゴイし(これ『Life is beautiful』と『会えて よかった』も入れたら18枚目ですからね)、もうそろデビュー40周年が見えているアーティストが紡ぎ出す歌が、この令和の21世紀に見事にぶっ刺さっているというのもスゴイし、懐メロなんかしゃらくさい、あたしは新曲を歌い続けるんじゃー!というスタンスがなによりもスゴイ!ほんとにスゴイ!姐さん、一生ついていきます。

とにかく、この5曲、世界が開けてるんですよ。自分の中に眠っていた新たな扉を開け放って、さらに先にある見知らぬ世界に飛び込んでいく感覚。

50代、60代にもなれば、なんか守りに入りがちじゃないですか。安泰でいたいというか、いろいろ経験してきたが故に、やらなくてもなんとなくこんな感じだろうと高を括ってしまうというか。それ、違うんです。年齢なんて関係ないんです。誰だって、いつでも新しい自分に生まれ変われるんです。新しい世界に飛び込んでいけるんです。そういうことができる時代に、わたしたちは今生きているんですよ。やらなきゃ損なんです。だって、できるんだもん。やれちゃうんだもん。

この5曲、どの曲も転調があるんですね。普通に転調していくんです。オーソドックスなメロディーラインから、フッと転調して、またメロディーに戻っていく。この転調が素晴らしすぎるドラマチックさを生んでいるんです。新しいことを始めるにしても、普段通りの生活をしていても、時に何かの悪戯のように不安が襲ってきたり、虚無感に苛まれたり、絶望とまでは言わなくても失望したりすることもある。そんなやるせなさから救い出してくれる安堵や充足感や希望。そんな心の機敏を転調が物語として紡いでいるんです。

さらに歌詞です。一音に対する文字数が今までに比べたら圧倒的に多いんです。これって、もう真理子さん自身が伝えたり話したいことが山ほどあって、それが抑えきれずにドバドバ出てきてる状態だと思うんですね。だから、アルバムタイトルが『Can you hear me?』なのではないかと。で、そこで語られているのが、これまた等身大という。わたしも不安だったり、悔しかったり、失望したりしているんだよ。でもさ、そこでいじけたり、へそ曲げたり、投げ出したりしても、なんでだろ、状況ってなにも変わらないよね。だったらさ、楽しんじゃったほうがいいよね。笑ってるほうがいいよね。それがみんなとだったらさ、よりいいよね。だから、がんばろう。みんなで頑張ればきっと楽しいよね。

いやー、アルバムが楽しみすぎる。

ていうか、姐さん、ありがとうございます。

この人生で、いったいこれで何十回何百回目になるんだろう、姐さんの歌に救われるのは。姐さんの歌に勇気づけられるのは。姐さんの歌で希望に満ち溢れるのは。姐さんの歌で元気になれるのは。

こんな素敵な歌たちをいつもありがとうございます。

『BIG LOVE self cover album Brand-New Door Vol.4』

ちょっと初めによろしいですか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

姐さーん!

オリジナルアルバムは

どうなっちゃったのー!!!

復活後の傑作アルバム『W』から5年半、コロナもセルフカバーもハマスタライブも、辛島さんやプリプリなどゲスト参加マッチアップライブを経て、谷口さんに響子さんに藤井さんも前田先生もひっくるめたノスタルジックまでも包括した完全新作の片鱗が「君が光を照らす」であり、その怒涛の猛進撃ぶりに『BIG SKY』以降のネクストステージ到達を狂喜乱舞していたら「WAVE THE FLAG」や「Rest in Peace」の新曲群がこれまた珠玉ナンバーだったりして、もう、これ以上ドバドバされたら昇天しまくって粉しか出なくなっちまうよーとヨダレ垂らしてウヘウヘしていたら、唐突に次はセルフカバーですとのアナウンス。

ん?

 

いや、わがります。

どのタイミングで喉のケアに踏み切ったのかはわかりませんが、どこかのタイミングで大きく舵を取り直さなければいけなかったのではないかと思うのです。わがります。重々、承知でございます。でも、正直。ホント、これが全てではないですけど。ホント、正直、Brand-New Door Vol.4と言われて、ちょっとどうなの?と思ったのです。

だってさー、前作が『BIG SKY』ですよ。なんとなくセルフカバー3部作で落ち着いた感が出るじゃないですか。今までのナガマリ・ディスコグラフィーを見てもそうじゃないですか。『上機嫌』『元気予報』『Tobikkiri』の初期3部作、『Miracle Girl』『Catch Ball』『WASHING』の全盛3部作、『OPEN ZOO』『Love Eater』『KISS ME KISS ME』のセルフプロデュース3部作、『You're...』『ちいさなとびら』『そんな場所へ』の東芝3部作、そして、『AIR』『Sunny Side Up』『my foot steps』のオーストラリア3部作ですよ(しれっとベストアルバム入れちまったけど...)。だいたい、3段階で次のフェーズに突入していくのが今までの姐さんだったんです。となると、わかりますよね。『Life is beautiful』『W』『会えて よかった』のスリーステップから、『Brand-New Door』『Vol.2』『BIG SKY』ときたら、もう次は『〇〇〇』の新たなフェーズに突入していくに決まっているんです。ていうか、突入していく予定だったんです。

はい、ここからです。

 

新たに届いた新作『BIG LOVE self cover album Brand-New Door Vol.4』なんですが、いやー、最高だわ。ねっ。うん、最高。なにがって、もう全てですよ。まず、ジャケット最高じゃん。ブックレットの中身も最高じゃん。曲順も最高だし、アレンジも最高だし、姐さんのボーカルも最高だし、CDケースからCD取り出したらさ、ひょっこりと姐さんが出てくるのも最高じゃない?姐さん、CDに隠れてるやん!みたいな。もう、ぜんぜん、4部作ありじゃん、みたいな。3部作?あー、ぜんぜん、そんなの関係ないから、みたいな。

いや、思ったんです。前作の『BIG SKY』が大人の永井真理子だったじゃないですか。わたし、もんのすごく好きなんですけどね、あの世界観が。アコースティックであり、エレクトリックでアンビエントでもあり、コンセプチュアルでもある。アルバム1枚を通して構築された世界観があって、誤解を恐れずに断言するなら令和のプログレッシブアルバムの最高峰と言っても過言じゃないと思っているんです。でもね、なんかあっちの方でウズウズしてるんですよ、姐さんとアニキが。こう、なんか、うちらさー、もっとハッチャけたいんだけどさー、大人の永井真理子だからさー、やっぱ、こう神妙な感じでやらなきゃいけないのはわかってるんだけどさー、いやさー、やっぱギターをジャカジャカかき鳴らしたいっつうかさー、やっぱロックしたいっつうかさー、言うても大人だしなー、いい年齢きたしなー、そんなに燃焼系ばかりもやってられないっつうかなー、あー、無理。無理じゃね?やっぱうちらロックンローラーじゃね?燃焼系でガンガンいきたくね?あー、もう、いっちまえー!ジャーン!みたいなね。で、1曲目の「Reborn」ですよ。アニキ、ハッチャけちゃいました。

もうね、絶対にしょっぱなはギターのリフからくるだろうと思ってました。しかも、グランジ上等、オルタナティブ上等ってな感じでくるのではなかろうかと。最高なのは、そこからですよ。マッシーまでギター抱えちゃったー!みたいな。いや、実際はアニキが弾いているんですけど、2曲目の「50/50 (Fifty Fifty)」の軽快なロックアレンジは、もうヤバいですね。いつものことですけど、B.N.Dが出るたんびに、もうオリジナルが聴けなくなってしまうという。オリジナルを聴いても物足りなくなってしまうという。それって、やっぱ "今" ってことなんでしょうね。曲作りというか、曲との向き合い方というか、その辺のセンスの良さというか、ホントに、なんで数十年前に一生懸命に作り出した楽曲を、こうも新たに作り直して、かつ2つも3つも軽々とアップデートすることができるんだろうと思うんです。それは、やっぱり姐さんもアニキもマッシーも、関わる全てのスタッフさんたちも、言うなれば Team M のみなさまも含めて "今" を生きているからだと思うんです。でなければ、アーティストがこうも軽々と変化を遂げることなんて普通できないっしょ。

もともとは5年半ぶりのオリジナルアルバムをリリースする予定であったのが、諸事情によってセルフカバーアルバムに変更されたのも、"今" 私にはなにができるのだろうという姐さんの生き方ゆえの選択だったのではないかと。で、そこで届けられたのがロックアルバムで、その作品には『BIG LOVE』という名がつけられた。恐らく、『BIG LOVE』と『BIG SKY』は対になっている作品で、陰と陽、月と太陽、黒と白、ピアノとギター、コンセプトとコンピレーション、そんな風にセグメントすることができるのかもしれません。喉のケアのため、去年末までにボーカル録りを既に済ませてるっぽいのですが、このアルバムの姐さんの歌はヤバいです。各曲、全11曲、全て表情が違う。曲に合わせて声音を変えているんですよ。びっくりです。これ、ホントに喉のケアが必要なの?という感じ。大げさじゃなく、もう楽器なんですよね、姐さんの歌声が。全編に渡って、アニキのギターとデュエットしているように聴こえるんです。そんな風にミックスダウンしてマスタリング調整されているところも最高としか言いようがない。

去年のスペシャルライブの際にリクエストされた楽曲たちの中からセレクトされた11曲。そのほとんどが既にライブでお披露目されている人気曲で、まあ、トラックの打ち込み具合が半端ない出来になっています。特に「Karma Karma」のファンキーでサイケデリックなギターソロがめっちゃ上がります。「卒業してもサヨナラしても遠くでも」なんて、もう、ポリスの「Every Breath You Take」とマッシュアップしているみたいで、このセンスがめちゃくちゃたまらない。これだけでご飯100杯おかわりできます。「TIME」なんてパンクですよ。グリーン・デイですか?みたいな。もう、みんなでサークルモッシュしたーい!みたいな。いやー、絶対にそこらのフェスに出ても通用すると思うんだけどなー。

『Vol.4』が出ると聞いて、なんとなく期待していたのは「キャッチ・ボール」のようなアレンジが集まったアルバムだったら『BIG SKY』からの系譜が続いて、また、とんでもない領域にいきそうだなーと思っていたんですが、そこは次回までのお預けっぽいです。ていうか、アルバム『Catch Ball』でリアレンジされていない曲って、あと「あの頃、哀しさは1/6」と「White Communication」と「ガリレオ」に「今、君」の4曲だけですよ。ヤバイなー。「White Communication」は難しそうだなー。元春さんのイントロって最強だもんなー。

てなわけで、また傑作ができあがっちまいました。特にリクエスト曲をベースにしているので、ものすごい安定感のあるアルバムに仕上がっています。ここまできたら、欲張りだけど『Vol.5』も欲しくなりますね。「YOU AND I」に「やさしくなりたい」に「Ready Steady Go!」に「Slow Down Kiss」「Mariko」「親友」「自分についた嘘」「20才のスピード」「Step Step Step」「プリティ・ロックンロール」。あー、姐さん、『Vol.10』までお願いします!

Live Blog「Special Live 2024 ~君が光を照らす~」(2024)

36年という月日を3時間弱の空間にギュッ!と凝縮したようなライブでした。そこには若かりし頃の甘酸っぱいキュン!とした思いがあり、年齢を重ね、分かれ道に立たされた時のヨッシャ!という覚悟があり、そして、未来に向けた今という時間を思う存分に謳歌しようというウキャー!みたいな楽しさがある。永井真理子という存在が、懐かしさであり、憧れであり、さらには今を共に生きる運命共同体でもある。そんないろんな次元が混ざり合った存在であるということを改めて感じたライブでした。

2024年10月13日、EX THEATER ROPPONGI。ライブ施設の眼前には空を突き破るかのようにドーン!とそびえる六本木ヒルズ。地下の会場に向かって階段を下りていくと、この日のためにあしらわれたMaruse画伯による特別シンボルマークがステージにバーン!と掲げられている。辺りを見回せば、いつものTeam Mの面々が、青いドレスを着て頭に王冠をつけていたり、仲間内でオレンジのはっぴを身にまとっていたり、ところどころではエメラルドブルーのミニチュア・フラッグをフリフリしている。そんな光景をドリンクバーで注文したジンジャーハイボールを飲みながら眺めていると定刻通りにステージが始まった。

ゆっくりと東の空が白み始めていくような希望に満ちたオープニング・トラックから、夜明けの暁のようにギラリとした力強いカッティングで幕を開けたのは"うた"。東芝EMIへの移籍と共に所信表明として届けられたシングル曲である"うた"を、このスペシャル・ライブの一発目にもってきた意図は、ライブのラストナンバー前のMCで明かされることになります。

続けざまに、同じ東芝時代の廃退ロックソングである"未来"を粗削りなグランジ感で突き進み、そのまま平凡な毎日を一蹴する一点突破の猪突猛進ソング"好奇心(B.N.D ver)"で明日への活力を握りしめる。鮮やかな羽飾りを翼のように肩にあしらった赤い衣装で華やかにステージを舞うナガマリ。そのステップを支える渡辺豊さんのファンクでロックなドラミングと、それに寄り添いバンドの底板を分厚くなめらかに整えていく笠原直樹さんのベースがとにかく素晴らしい。

今回のライブのために募ったリクエストから"さよならの翼"が披露され、"レインボウ(B.N.D ver)"でたくさんの虹が会場にあふれかえった後、「新曲を作ってきました!」とMCで語られたのは、今年5月29日に急逝してしまったゴーグルズのJJこと阿比留淳司さんへの想いを綴った楽曲"Rest in Peace"でした。あまりにも突然すぎて今でも信じられないのですが、姐さんが語っていたように、しんみりするのは違うような気がするし、なんか舞台袖から普通にシラーッと出てきそうな気もするし、不思議なんですけど、またどこかで会えるような気がしてならないんですよね。ジュンさん、またどこかで会いましょう!

人はいつでも生まれ変わることができる。人はいつでも出会い直すことができる。そんな約束ソング"Re★Birth"から、とうとうひた隠しにされていたスペシャル・ゲストのお披露目がされることに。姐さんの呼びかけでステージに登場したのは、なんと佐野元春さん!...というのは嘘で、天下の金子文江さんコンビ、辛島美登里さんでした!

いや、みなさん、誰が登場するか妄想してたと思うんですよ。順当にいけば辛島さんだよねと思うところ、当日まで誰かは内緒です!となると、早々に発表してしまうと、そのアーティストのファンがナガマリライブに大挙してきてしまうので、あえて極秘にしているのではないかと。だとしたら、元春さん?いやいや、元春さん、ビルボードのツアーに出てるし、どうなんだろ。でも、11日の大阪公演のあと、なぜか連休の間がブランクになってるよ。どういうこと?これはもしかしたらもしかするのかな。なんて、思っていたんです。でも、そうだよね。本当に元春さんが登場しちゃったら、カリスマすぎてみんなが恐縮しちゃうもんね。

今年の6月に開催された辛島さんのデビュー35周年記念ツアーにゲスト参加した姐さんが、ゲスト返しで辛島さんに呼びかけ、辛島さんも秒で快諾という。この仲睦まじさが本当に信じられないくらい奇跡的だと思うんです。一時は、それこそ辛島バラード(略して辛バラ。すごい辛いバラ肉みたいなw)を封印していたくらいなので、もう感慨深いものがあります。披露されたのが、辛島さんの作家デビューになった楽曲"瞳・元気"。続けざまに"50/50(Fifty Fifty)"、"Keep On "Keeping On"(B.N.D ver)"の3曲。特にノリノリだった"50/50(Fifty Fifty)"がよすぎでした。本当に姉妹みたいでかわいかった。

ここで15分のインターバルをとり、そこから怒涛の第2部がスタートします。先陣をきったのは"私を探しにゆこう"。衣装替えでモコモコのフード姿で再登場するナガマリ。遠目で見たら可愛かった(遠目で見なくても恐らくそうだと思いますが)。続いて、ジュンさんソング"大人になるためサヨナラしたの"で会場みんなが指パッチン。からの、きましたニューフェーズ・ソング"君が光を照らす"。恐らく、ナガマリ史上初となるセンターステージで、この新たな文法を手にしたマリコジ夫婦が、新時代突入のファンファーレを、みんなのスマホライトに照らされながら高らかに鳴り響かせます。とは言え、しっかりと自分たちの出発点も見据えた"One Step Closer(B.N.D ver)"を挟み、往年のナガマリ・アンセム"キャッチボール(Rebirth of 1992 ver)"で会場中にシンガロングが渦巻く。ここでさらに新曲"Wave the Flag"で明日をつかみ取れと、勝利の旗を振り回せと、ステージを縦横無尽に駆け回り会場中をあおりまくる。

ステージの勢いは止まらず、"ORANGE"のイントロが流れ出すとステージも客席も幸せのオレンジカラーに染まり、元春さん提供の"White Communication-新しい絆-"のファンファーレが鳴り響くと会場のボルテージが一気に沸点まで到達。間髪入れずに聞き覚えのないブリッジを挟んで轟いたのは"TIME"!もう、ここまでくるとアニキの天才アレンジャーっぷりにひれ伏すしかありません。渡辺豊さんの技巧的かつ情熱的なドラム・ソロからグルーヴィに続いていくのは"ハートをWASH!"。会場のみなさま、この怒涛の燃焼系でだいぶカロリーを消費できたのではないでしょうか。

ナガマリソング・リクエストで1位に輝いたのは、やっぱり"私の中の勇気"。30数年前となにも変わらず、今を生きる私たちの背中をこうして押し続けてくれる永井真理子という存在。だから、私たちは今日をがんばれるし、昨日を慈しむことができて、未来に希望をもつことができる。そう思えてなりません。

アンコールで披露されたのは、一足も二足も早い"ZUTTO"のクリスマスバージョン。マッシーの優しいアレンジが心地よく、ステージの幻想的なライティングも相まってフワフワと漂う感触に酔いしれる。そして、センターステージに立ち、復帰後から続けてきたファン感謝祭を今年は開催しない理由について真理子さんが語り始めました。それは喉のケアのため。ケガでも病気でもなく、この先、よりよく歌を届けるために今年はいったん休むということでした。この話を聞いて、だからライブの1曲目が"うた"で始まったのかと、そういう意思表示なのかと、妙に腑に落ちました。そして、ラストはバンド演奏なしのアカペラ"Mariko"。センターステージで、ファンに囲まれながら歌う真理子さんは、今この時を愛おしみ、今以上のパワーで絶対にまた戻ってくることを確信させてくれる、そんな神々しい姿をしていました。

2024年、いろいろとライブをしていたような気がしますが、どれもゲスト参加やファンクラブ限定開催ばかりで、意外と一般販売も含めた単独ライブというのは今回のみでした。小さなライブハウスでワチャワチャももちろん最高なんですけど、去年のKT Zepp Yokohamaや渋谷PLEASURE PLEASUREのような、ちょいとホール的な会場の方がやっぱり姐さんのスケール感に似合う。来年、喉の調子が最高になったら、また大きめな会場で、来たるニューアルバムのとんでもない世界観を思う存分に味わいたい。心の底からそう願います。

 

Special Live 2024 ~君が光を照らす~

2024.10.13 sun EX THEATER ROPPONGI

1.うた

2.未来

3.好奇心 (B.N.D ver.)

4.さよならの翼

5.レインボウ (B.N.D ver.)

6.Rest in Peace (新曲)

7.Re★Birth

8.瞳・元気 with 辛島美登里

9.50/50(Fifty Fifty) (Massy Arrangement ver.) with 辛島美登里

10.Keep On "Keeping On" (B.N.D ver.) with 辛島美登里

11.私を探しにゆこう

12.大人になるためサヨナラしたの

13.君が光を照らす

14.One Step Closer (B.N.D ver.)

15.キャッチボール (Rebirth of 1992 ver.)

16.Wave the Flag (新曲)

17.ORANGE

18.White Communication -新しい絆-

19.TIME (New Arrangement ver.)

20.ハートをWASH! (B.N.D ver.)

21.私の中の勇気

22.ZUTTO (Massy Arrangement Christmas ver.)

23.Mariko (Acapella)

 

P.S.

今回のセットリストに「OPEN ZOO」から「KISS ME KISS ME」までの3作、「AIR」と「Sunny Side Up」の2作から、まったく選曲がされていなかったのですが、ここに姐さんの意図はあるのかなとちょいと勘ぐってしまいました。別にだからということはないのですが、この5作を意図的に省いたということは、逆を言うと、それだけ今回のライブのテーマが...、という感じだと思うのです。いや、これは来年がまた楽しみになってきました。

ナガマリの2023年:振り返りと新たなスタート

諸々の事情で今年のファン感謝祭は参加できなかったので、なんとなくですけど、年末を迎えるこのタイミングで、ナガマリの2023年を振り返ってみようかなと思います。

とにかく今年の目玉といえば『RE★BIRTH OF 1992』と『BIG SKY self cover album Brand New Door』の2作品がリリースされたこと。ライブアルバムにライブブルーレイにセルフカバーアルバムですよ。なんと贅沢な一年だったんでしょう。去年の12月24日にリリースされた配信シングル「Re★Birth」も感覚的には今年みたいなところもあるので、さらに新曲まで含まれるという怒涛の一年。'92年の横浜スタジアムライブのリブート、その後の東芝時代からオーストラリア時代までを俯瞰したセルフカバーではネオアコースティックという新境地を切り開き、音楽的にかなりJUMP UPした一年と言えます。

ライブも「RE★BIRTH OF 1992 encore concert」に始まり「M's Fes Tour 2023 BIG SKY plus 会えてよかった」、そして「ファン感謝祭 Thank You 2023」の計9本。その合間に「ファンツアーin安曇野2023(大人の修学旅行&合宿)」「PATi-PATi×GB THE GREATEST HITS ~GiRLPOP Special~」「横浜合同演奏会2023」「大人の学園祭」に、ちょいちょい地方イベントにも参加と目白押し。さらにファンクラブ「ORANGE HEART CLUB」の復活から、写真集『Meteor Shower 2017~2023』も発売と、いやいや、なかなか充実した一年でした。

こうして振り返ってみると、姐さんを軸にして縦と横のラインがテーマとして浮かび上がってくるのですが、まずはなんと言っても縦のラインですよね。アーティストとファンの繋がりが実に親密になった一年だと思います。毎晩のおやすみポスト(TwitterがXになったのもつい半年くらい前)、毎週月曜の直接対決(この対決というたった2文字の単語が今年一年でどれだけ誤字ったか)、この辺りはもう3年前から変わらずですが、安曇野ファンツアーを機にファンクラブを復活させたというのが、やはり一番大きな出来事ではないかと。ライブやイベントならまだしも、アーティストと一緒にBBQともなれば、さすがにSNSで門戸開放してしまうと収拾がつかなくなってしまった。逆を言うと、それだけ "永井真理子" というアーティストが身近な存在だとも言えるのですが、そこで線引きをしたのがファンクラブであると。基本、Team Mの皆さまは本当にいい方々ばかりなので、なにも心配はいらないと思っていますが、言うても毎晩のおやすみポストのいいねの数に比べてリプをしている方々というのは1割から2割程度の一部の方々、不特定多数の声を持たない方々の声を拾うためには、ファンクラブはかなり潤滑油の機能を果たすのではないかと思うのです。2017年の復活当初はSNSだけでどこまでできるかというスタンスではありましたが、ある意味、その一定ラインを越えたのが2023年であり、ファンとの距離感はさらに多岐のバイアスに対応していくものに進化していきそうです。

そして、横のラインです。2023年、鮎川誠さんに始まり、坂本龍一さん、亜伊林さんにKANさん、悲しいニュースもそれなりにありました。山田邦子さんのように初期の発見で癌を克服し、今ではM-1の審査員をされているというのは本当に稀なことで、わたしの身近にも闘病されていた方々がたくさんいましたが、その変わり果てていくご様子を見ていると心の底からいたたまれない気持ちになります。これは本当にコロナどころの騒ぎじゃなくて、誰がなってもおかしくない病であり、2019年の統計で約100万人の方々が明日も生きてやると必死に戦っている現実であったりします。私たちが普段通りに目を覚ましている朝は、誰かにとっては普段通りに目を覚ますことができなかった朝でもあるのです。だからこそ、私たちは普段通りの今日をちゃんと生きていかなくてはいけない。大抵は惰性で始まる朝が多くて、時に辛い朝もあり、予定がなくて思い切り寝過ごす朝もある。そんなものです。そんなものだけど、そのすべてが尊いと思う日が必ず来る。もう少しで新年だなぁ...なんて思えることが既に奇跡的なことだったんだなと。先日のふたご座流星群20時デートでの姐さんの願いが "健康第一" であったのも、来年のカレンダーに亜伊林さんの詩が散りばめられているのも、私なりに感じたのはそういうことなのではないかなと。

で、来年です。きますよ、辛島美登里さん。さらに岸谷香さん。なんですか、この横の並び。胸熱すぎてケトルでお湯が沸かせそうじゃないですか。今年も森口博子さんにツアーの発表をさせてみたり、リンドバーグ渡瀬マキさんといきなりお揃いキノコヘアを披露してみたり、テレビでは大事MANブラザーズの立川さんと共演してみたり、もうね、こういうことなんですよ。できるうちにできることはやっちまおうと。ファンツアーも学園祭も写真集も、いつかやろうではなくて、できるんなら今やろうと。私たちもある程度の年齢を越えてきたので、変な話、桜の花だって、あと何回見れるか既にカウントダウンが始まってたりするんすよ。儚いよ。だからこそ、もう一回、Ready Steady Go!でいきましょう。スタートを切るのは明日じゃなくて今なんです!

『BIG SKY self cover album Brand New Door』

去年、2022年の4月、昼の部を "Blue Sky"、夜の部を "Night Sky" と銘打ち、それぞれのビジュアルイメージまで製作したライブツアー「BIG SKY ~neo Acoustic Live~」が名古屋・心斎橋・渋谷の東名阪で開催されました。このタイミングというのは、2021年のファン感謝祭で「Re★Birth of 1992」が重大発表され、青天霹靂びっくらぽんのナガマリ・ディナーショー・イン・鶴岡までやっちまうぞ~のアナウンスがあった頃。当然のように『会えて よかった』のコラボライブは開催日未定のままの延期状態、コロナ禍の人数制限問題からギリギリの状態で「サモール尾道」がどうにかこうにか開催にこぎつけられた後のことでした。社会情勢とにらめっこしながら右往左往し、挙句の果てには35周年というアニバーサリー・イヤーまで迎えてしまう。そんな中での「BIG SKY」というキーワードは、もちろん新たな扉(Brand-New Door)の先に広がっていた景色を表してもいるし、"20時の流星群"に代表されるようにファンとアーティストの絆を具現化したとも言えるし、作詞家・永井真理子という側面から見ると、「空」というキーワードは憧れや希望・内省や自己肯定のメタファーとして表現されてきた言葉でもあるわけです。そんなキーワードがタイトルに冠せられたのが、最新アルバム『BIG SKY self cover album Brand New Door』になります。

そもそものスタート地点は『Brand-New Door』に収録されていた"少年"ではなかろうかと、いつもの如くわたくし勝手に思っておりまして、アレンジャーであるCOZZiさんが、ギター炸裂のバンドサウンドではなく、どちらかというとマッシー的なエレクトロニカトリップホップな文法を発明したことが、この『BIG SKY』というアコースティックの「ネオ」の部分になるんではなかろうかと。それは『Brand-New Door Vol.2』の"La-La-La"に発展し、アルペジオを加えた"ありがとうを言わせて..."へとつながっていく。その根底にあるのは、やはりコロナ禍という内省の季節を越えたからであって、なんて言えばいいんでしょう、インナーチャイルドを癒すといいますか、メロディーや詩世界の本質を突き詰めたというか、なんかよくわからないんですけど、とりあえず天才って感じなんですよね。

で、もう一つが2020年6月の「おうちでトーク3」で披露された"同じ時代"。コロナ禍まっただ中、明日も見えない状況で、とにかくがんばろう、疲れたら休もう、無理はしないようにしよう、だけど、今日よりも明日がよくなるように少しずつでも歩いていこう、そんな思いをピアノにのせたマッシーのアレンジが秀逸すぎる楽曲が、そのアレンジのまま、この『BIG SKY self cover album Brand New Door』に収録されています。もうね、響子さんの楽曲を辛島さん的なピアノバラードに仕立て上げてしまうというこの反則技をマッシーがやってしまうという、なんだろう、ディズニーランドとUSJのいいとこどりのアトラクションをナガシマスパーランドで作っちゃったみたいな、意味わかんないんですけど、とにかくそんな感じなんですよ。でね、そんな今から3年前のアレンジがここでアルバムに収録されていて、コロナ禍から始まったB.N.Dシリーズの"少年"も、そもそものスタートだったと仮定するとしたならですよ、この『BIG SKY』というアルバムは、コロナ禍の3年間をギューッとまとめた作品になるのではないかと。言うなれば、このアルバムにはパンデミックとの戦いの歴史が詰まっているのではないかと。

そのキーになる曲が、またまたマッシーのアレンジによる"Keep on Keeping on"になるわけで。もともと12曲収録する予定だったアルバムが、最終的に"YOU AND I"を外して11曲収録に変更されたのも、このマッシーアレンジの"Keep on"があったからだと思うんですね。ベースとなるアレンジは『Re★Birth of 1992』のバージョンになるんですが、そこではまだ根岸さん的なイントロはそのままで、シンフォニックなサウンドアレンジが加わったとしてもオードブル的な感じ。ノスタルジックではあるけれど、どこかそれを古びないように煌びやかにラメってる印象がありました。そのシンフォニックをメインディッシュでドーンとアレンジしてきたのが『BIG SKY』バージョンで、この3年間の戦いを労うような、ここから始まる新しい時代を祝福するような、そこには痛みも涙もあって、新たな出会いや喜びもあって、こんなんじゃダメだと叱咤激励した日があって、これ以上はもう無理だと全てを投げ出してしまった日があって、でも、どんな日でも、この空だけは変わらず頭上に広がっていてくれてみたいな、なんともな柔らかい世界観が広がっているんですよね。その柔らかさとは、ほんのりと白んでいく夜明けの空のようであり、一日の疲れを癒してくれるオレンジ色の夕暮れのようでもあり、この景色が遠いどこかの誰かとつながっているのかもしれないと思えるような黄金色の月夜でもあるという。

「空」というキーワードがダイレクトに歌詞に出てくる楽曲ばかりを集めたアルバムが『BIG SKY』になると思いがちですが、この"Keep on"のように「空」を感じる楽曲を集めたコンセプチュアルなアルバムが『BIG SKY』になるわけでして、その選曲もまた、もう、たまらなく姐さんなんですよね。あのはっちゃけエレポップな"Bicycle Race"が、スタバで流れているようなカフェ・ミュージックになり、Jポップど真ん中のマージーソング"KISS ME"が、表参道辺りで流れてそうなフレンチポップスになってるという。どこで「空」を感じるんじゃ~と突っ込まれそうですが、スタバや表参道のテラスで空を見ません?透き通った青い空、晴れやかな気持ち、穏やかな時間、美味しい珈琲、街ゆく人々の雑踏、その楽しそうな笑顔、笑顔、笑顔。

コロナ以前は当たり前だった景色が、今ようやく戻りつつあります。それでも完全に以前のようになることは恐らく二度とないでしょう。時間は戻らないし、失ったものは失ったまま、誰もそれを取り返してはくれません。でも、この3年間を振り返ってみると、3年前の自分には想像もできなかった世界で、わたしたちは今を生きてはいませんか?3年前にはいなかった仲間たち。3年前には考えられなかったコミュニティ。3年前とは比べようもない幸せや喜びや楽しみが、今のわたしたちにはありませんか?それは、この3年間、ひとりひとりが何かと戦い、何かに抗い、何かに打ちのめされてきた結果だと思うんです。そんな≪傷だらけになった羽根≫をここで≪少し休ませて≫みよう。≪誰も悪くないから どうか責めないで≫ほしい。そんな真綿に包まれるような温かさに満ちた楽曲"おやすみ"でアルバムは締めくくられます。≪明日の光を背に浴びたら きっと 君への新しいドア開くよ≫と。

新生・永井真理子という言葉がぴったりなアルバム『BIG SKY』。冒頭の"海と貝殻"で、≪終わった心の傷は私に全てあずけて≫と大海のような抱擁力から物語は始まり、≪迷いの先にのぞく晴れ間へ この思い出を抱えてゆくよ≫と軽快なカッティングで明日へ踏み出していく"ミエナイアシタ"。"きれいになろう"では≪声が届かないあなたへの ありがとう≫と感謝と自己研鑽を、からの、好きすぎて全てが名フレーズの"WAY OUT"からあえて抜粋するなら≪君の中にすべての答えがある≫と、その内省は何一つ間違っていないよと。そして、"タンバリンをたたこう"の大団円。前作の『B.N.D Vol.2』も名盤でしたが、それを遥かにしのぐ名盤の誕生。アルバムの構成から、各曲のアレンジから、一音一音を味わうように包み込むように歌い上げているナガマリのボーカル。こんな作品作っちゃったら次はどうなるの?といらぬ心配をしてしまうくらいの出来なんですよね。

にしても、"WAY OUT"のアレンジが神すぎる。"好奇心"もそうだし、"キャッチ・ボール"のRe★Birthバージョンもそうだし、"レインボウ"もそうなんだけど、今のアニキだったら"ガリレオ"まで感動的に仕上げられちまうんじゃないかと思っちまいます。