2022-07-01から1ヶ月間の記事一覧

1st EX「会えて よかった」(2020)

完全無欠の原点回帰 こちらのアルバムも、リリース時に全曲レビューをしておりますので、そちらをリンクしておきます。 それにしても、いろいろな意味で運命的な巡り合わせになってしまった作品。その最たるところは、やっぱり、あの『OPEN ZOO』以来の、誰…

16th AL「W」(2019)

つながりが導いた新境地 こちらのアルバムも、リリース時に全曲レビューをブログにあげているので、そちらをリンクしておきます。 当時は、真理子さんがファイティングポーズをやめたという視点からものを語っていましたが、改めて聴き返してみても、やはり…

15th AL「Life is beautiful」(2017)

人生の再始動 2017年、デビュー30周年の年にリリースされた10年ぶりの作品『Life is beautiful』。もともとは配信限定でしたが、たぶん、思いのほか反響が大きかったのと、真理子さんの復活を喜ぶ世代となると、なかなか音楽配信というものが未知の世界すぎ…

9th BEST「my foot steps -20th anniversary memorial collection-」(2007)

紆余曲折の軌跡 デビュー20周年を記念してリリースされたベスト盤。1枚目はレーベルの枠を超えた真理子さん本人のセレクションによるオールタイムベスト。2枚目のDVDには'94年に放送されたNHK「BEST STAGE SELLECTION」と、'92年の横浜スタジアムLIVEが2曲、…

14th AL「Sunny Side up」(2006)

陽の当たる場所へ 最初に言っておきます。ナガマリ14枚目のスタジオアルバム『Sunny Side up』が、真理子さんの最高傑作であり、最高到達点であり、揺るぎない名盤だと断言します。んなわけないだろ!という反論は認めませんし、これで最高かよ!という茶々…

13th AL「AIR」(2004)

自浄作用からの再出発 今ではYouTubeなどのストリーミングやiTunesなどのサブスクリプションが普通になっていますが、ひと昔前はインディーズ・ロックと聞くとマイナーなイメージしかなく、その流通規模から、なかなか一般のリスナーまで音楽が届くことはあ…

12th AL「そんな場所へ」(2002)

破壊と再生 こちらのアルバムについては、去年、ふと思い立ってレビューしてみましたので、そちらのページをリンクしておきます。 デビュー15周年記念、21世紀型のナガマリを存分に味わえる12枚目のスタジオアルバム『そんな場所へ』。東芝3部作の完結編とな…

11th AL「ちいさなとびら」(2000)

ミレニアムの異種格闘技戦 変な話ですけど、世界って1999年の7月で終わると思ってたんですよ、自分。いや、本気で信じてたのか?と言われると、ほとんど朝の占いレベルでくらいしか意識していなかったんですけど、それでも'99年の7月が当たり前のように過ぎ…

10th AL「You're...」(1998)

気負いのない実力 写真家で映画監督でもある蜷川実花氏のフォトグラフで彩られたブックレットの中に、次のような内容の英文がしたためられています。「出産と育児のために離れていた2年半を振り返ると、本当に貴重で必要な時間だったと思います。子育ては素…

9th AL「KISS ME KISS ME」(1995)

乙女心とロックンロール 原点回帰とは少し異なると思いますが、姐さんが再びショートヘアにしたというのが、とても大きなテーマになってくる作品、それが9枚目のスタジオアルバム『KISS ME KISS ME』です。 前作『Love Eater』の後、ふっと思いついたように2…

8th AL「Love Eater」(1994)

無敵で最強の大名盤 1993年7月31日(土)に開催された2度目の横浜スタジアム公演。芸能的な面が取り沙汰されがちなこのライブですが、この日のハイライトは間違いなく "ルーシータクシー" でした。公演の1週間前に発売されたばかりのシングル "We are OK!" の…

7th AL「OPEN ZOO」(1993)

時代の潮目 1992年と1993年のヒットチャートを見比べると、顔ぶれが明らかに一新されています。その中でも大きな特徴として挙げることができるのが、1992年まではテレビで流れていた音楽が主流、1993年からは有線で流れていた音楽が主流になっているというこ…

3rd BEST「yasashikunaritai」(1992)

自律神経を整える歌 歯医者さんの待合室のBGMといえばクラシック音楽。それもショパンやモーツァルトやバッハなどのピアノ曲が多いですよね。その理由は、これらの楽曲は聴くだけでα波が出やすくなり、リラックスした状態で順番を待つことができるからと言わ…

6th AL「WASHING」(1991)

解離性同一性障害の末路 1991年という年はとんでもない年で、多くの方が語っているように、名盤と呼ばれる作品が大豊作だった年であります。あのアーティスト、このアーティストが次々と傑作を世に送り出し、毎週のように塗り変えられていくヒットチャートの…

2nd BEST「Pocket」(1990)

キラキラとした自由時間 あの頃を思い返してみると、ベストアルバムって年末行事だったんですよね。今では年がら年中ではありますが、その昔は季節ものだったりしていて。だから、予約をしていた初回特典のベルトポーチ付きCDを買いに行った時も、レコード屋…

5th AL「Catch Ball」(1990)

放物線の先にあるもの ポップソングに対して、文学的なアルバムであると言ってしまうと、ちょいと堅苦しいかもしれないのですが、あえて断言させてもらいます。永井真理子の5枚目のスタジオアルバム『Catch Ball』は文学であります。リアリズムに徹した私小…

4th AL「Miracle Girl」(1989)

奇跡は自分の中にある 圧倒的な作品に触れた時、あまりにもスゴすぎて笑いがこみあげてくることがあります。もう笑うしかないのです、スゴすぎて。そんな王道の中の王道が、この4枚目のスタジオアルバム『Miracle Girl』です。 前作のベストアルバムで制作陣…

1st BEST「大好き」(1989)

第一章のフィナーレ デビューしてから、わずか1年半でベストアルバムがリリースされるというのもスゴイことですが、そんなアルバムがオリコンチャートの2位になってしまうというのも、めちゃくちゃスゴイことで、それだけ前作の『Tobikkiri』が注目された証…

3rd AL「Tobikkiri」(1988)

対流圏へと突入した熾烈な名盤 仕事でも人生でも「勢い」というのは大事なもので、いったん流れに乗ってしまえばコッチのものみたいなところがあったりします。ナガマリにとってのそれは "ロンリイザウルス" であり、シングル曲として初のチャートインを果た…

2nd AL「元気予報」(1988)

エナジーがあふれる表現への欲求 前作のファーストアルバムから、わずか5ヶ月という怒涛のインターバルで発売された2枚目のスタジオアルバム『元気予報』。この驚異的な短さは、思うに前作と同時進行で制作されたのではないかと勘繰ってしまうのですが、だと…

1st AL「上機嫌」(1987)

今後の可能性を最大限に散りばめた良盤 ファーストアルバムのタイトルが "ご機嫌" でもなく "いい気分" でもなく、ましてや "絶好調" とか "お調子者" とかでもなく、『上機嫌』と名付けられたことに、永井真理子というシンガーの人間性みたいなもの、もしく…