12th AL「そんな場所へ」(2002)

破壊と再生

こちらのアルバムについては、去年、ふと思い立ってレビューしてみましたので、そちらのページをリンクしておきます。

デビュー15周年記念、21世紀型のナガマリを存分に味わえる12枚目のスタジオアルバム『そんな場所へ』。東芝3部作の完結編となる作品ですが、この在籍期間を振り返ってみると、ドリカムの正人さんから始まって、中村さんのプログレ、西川さんのギターロックから、最終的に響子さんに戻ってきた感があります。これって、前田先生から始まって、亜伊林さんの叱咤激励を受け、元春さんや陣内大蔵さんのロック的な後押しからの、最終的に京子さんにたどり着いた経緯に似ているような気がします。そういう意味では、"泣きたい日もある" と "同じ時代" の2つの楽曲は対になっているのではないかと。

"泣きたい日もある" では<自分の年 思いながら ほおづえをついた>とあり、"同じ時代" では<自分の年 数えるよりも 変わり続けてたい>に変化しています。どちらの楽曲も月日の流れに思いを馳せていて、どこまで続くかわからない人生に対して<ただ嘘をつかず やって行けたなら それでいいと思う>と歌っていた主人公は、その10年後、<朽ち果てて行くもの 残り行くもの 誰も決められない>と、だから、<同じ時代に生まれたことを いつも感謝をしたい>と、哀しいことも多いけれど、そういったものも一切合切、腹に納めて生きていくしかないと、そんな決意に満ちているのです。

そして、その決意は、海外への移住と自主レーベルの立ち上げへつながっていきます。

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