16th AL「W」(2019)

つながりが導いた新境地

こちらのアルバムも、リリース時に全曲レビューをブログにあげているので、そちらをリンクしておきます。

当時は、真理子さんがファイティングポーズをやめたという視点からものを語っていましたが、改めて聴き返してみても、やはりここには戦わないナガマリの姿しかないような気がします。さらに、ジャケットにあるように、こちらに手を差し伸べていたりするという。これこそ、リアルな "おいでよSmile World" じゃないかと思うのですが、そんな風にTeam Mと手を取り合いながら1曲1曲を作り上げていった感じが16枚目のスタジオアルバム『W』ではないかと。

アーティストのキャリアが長くなれば長くなるほど、そこで求められるものというのはヒット曲であったり、古参なファンから支持されている懐メロであったり、大抵は後ろ向きなものばかりだったりします。真理子さんも例外ではなく、一般的なところから見れば当たり前のように "ミラクル・ガール" と "ZUTTO" の人で、芸能的なところから見れば年齢の割には若い人というところが注目されるポイントだと思うのです。ただ、それを差し引いても、このアルバムに収録されている "20時の流星群" と "ORANGE" がファンから支持されているということは、もう本当に健全で幸せなことではないかと。"ORANGE" なんて、今の真理子さんのテーマ曲だって、みんながみんな共通認識として持っているわけじゃないですか。新曲がここまで受け入れてもらえるアーティストなんて、本当に一握りです。

それってどういうことなのかなと思うと、やっぱり、このアルバム・ジャケットにすべて集約されているんですよね。向こうから手を差し伸べてくれている。この受容力というか包容力みたいなものって生半可じゃできないはずなんですよ。それが可能になってしまうというのは、真理子さんのエネルギーの根源がTeam Mであり、Team Mみなさんのエネルギーの根源も真理子さんであるという、この友好的で理想的な循環が健全に機能していること、その関係性が成立しているからこそだと思うのです。